相続・終活,専門家に求められるものとは

 相続といえば遺言、終活といえばエンディングノートというような代名詞で語られるようなこともありましたが、少子高齢化による「老老介護」の問題や「おひとりさま」の課題などで知られるように、今や相続や終活は一言では語ることができなくなりました。

相続を考える上では、遺言や税金の問題だけでなく、お墓の承継者の問題、相続開始前における認知症リスクの問題というように、相続を中心に様々な問題を考慮していかなければなりません。

終活もエンディングノートを書くことが主目的のように語られることがありますが、相続を含め様々な準備を行なっていくことが本来の目的となります。

終活を行ない、相続が始まり、死後の後片付けを行ない、本人はお墓に入り、家族等は平穏な普段の生活に戻る、という一連の流れの中で、個々の家族状況を含めた環境等により、行なうべきことは様々です。

専門的な知識を有するものもありますので、しっかりとした準備をしたり、適切な対処をするためには専門家のサポートも必要になると思います。

では、どのような専門家や専門機関に依頼すれば良いのでしょうか。

相続の専門家・専門機関? 終活の専門家・専門機関?

全てを単独で完璧にこなせる専門家・専門機関というものは存在しません、個々の専門分野以外のものをどのように柔軟に対応していくかが問題となります。

他の専門機関に紹介するという単純な昔ながらのスキームは誰でも持ち合わせている方法ですが、ここで問題となるのは、他の専門機関に紹介したら後は知りません(関与しない)となることです。

いわゆる横のつながりが途絶えて、各々の課題の連続性や関連性が薄れてしまい、各々の機能が独立して動くというチグハグなものになってしまいます。

例えば、「死後事務委任契約」と「見守り契約」を考える上では、任意後見契約や財産管理委任契約も併せて検討し、かつ、遺言の作成とそれに伴う財産調査、不動産の調査も必要かもしれません、更に、自分の葬儀やお墓のことを検討する上では先祖のお墓の問題(墓じまいや改葬)も併せて考えなければなりません。こう考えただけでもいくつもの専門家・専門機関の関与が必要になってきますが、其々が其々の考えや立場のもと勝手に業務を行なうと業務の連続性・関連性が薄くなってしまい、無駄や不足等が発生し、依頼者にとっては望まない結果になってしまう可能性があります。

重要なのは、他の専門家や専門機関を関わらせながらも、それをマネジメントして、連続性や関連性を確保しながら、最後まで(描いた計画の最終地点まで)責任を持って依頼者をサポートする(計画全体をマネジメントする)ことができるか、ということです。

相続は遺言・相続税、終活はエンディングノート・葬儀、などと簡単に語れる段階からもっと多種多様な事柄を扱える、総合マネジメントできる、そのような専門家が求められるステージへと変化してきています。

今後、相続や終活に関する新たなサービスを提供する機関が出てくるかもしれません、多種多様なサービスを時代が求めている結果ともいえます。

そういった中で専門家に求められるのは、ライフエンディング・ステージにおける総合マネジメント能力であると筆者は考えます。