ライフエンディング・ステージと専門家の役割に関する考察

「ライフエンデインング・ステージ」という言葉はご存知でしょうか?ライフ=人生、エンディング=終わり、ステージ=舞台・場面(ライフステージという意味では「段階」ということになりますか)、字面からいくと「人生の最後の段階・場面」という意味となってくるようです。

数年前から「終活」というフレーズがメディアで取り上げられるようになり、その代表的なものとしての「エンディングノート」に関してはご存知の方も多いのではないでしょうか。

「終活」や「エンディングノート」という言葉の意味を知っている方は、「ライフエンディング・ステージ」という言葉の意味あいも何となく浮かんでくるのではないかと思います。

「ライフエンディング・ステージ」とは、①人生の終末や死別後に備えた生前からの準備を行うこと、②ライフエンドとその後の遺族等による生活の再構築の時期、この2つを合わせた領域、と経産省の報告書では定義されています。(何故経産省の報告書なのかは長くなりますので、ここでは割愛させて頂きます。)

つまり、本人が人生の終末期を迎えるにあたって、その時期の準備や死別後の準備を生前の元気な時に行なっておくという「いわゆる終活(相続準備を含む)」と、死別を迎える遺族がその後行わなければならない遺産承継等の相続手続き、遺品の整理等を経て「元の生活に戻るまで、そして承継した遺産の活用等」を合わせたものが「ライフエンディング・ステージ」ということになるのではないかと思います。

一般的には、本人の終末期と相続開始は、本人だけではなくその家族も巻き込んだその家族にとっての一大事件となりますので、「ライフエンデイング・ステージ」も本人とその家族の両方を対象にしたものとなります。

いわゆる「お一人様」の場合には、「その家族」の部分が「その関係者等」ということになるのかもしれません。

一人の人間の人生の流れとしては、もちろん切れ目なく、人生の終末期に向かい、その中で個々の状況に応じて、医療の問題、介護の問題、終の住処の問題、相続の問題、死後の後片付けの問題など様々な問題が数珠繋ぎのように絡み合ってくるわけです。

ここ数年、「相続専門」の看板を挙げる組織や士業等、あるいは、「終活〇〇」などが増えてきた中、一般の人もそのような専門家に頼るということに抵抗がなくなってきているのも事実ではないかと思われます。

相談者が自身の終末期から相続、そしてその後のことを相談したとして、それに全て一人で対応可能な万能な専門家などは勿論いません。

だからといって、各専門家が自分の専門分野に関して受注して、完了したら終わり、その他の分野はその専門家に依頼して下さい、というスタンスでは、いわゆる縦割り行政と揶揄されるような体制と同じではないかと思われます。

重要なのは、横の繋がりができていて、かつ、その繋がりが”機能する”ことです。

「ライフエンディング・ステージ」に関わる各種専門家をマネジメントして、相談者の希望に沿った「ライフエンディング・ステージ」になるよう(あるいは、より近づけられるよう)に支援する能力を持った専門家が必要になってくるのではないかと思います。

実際に、遺言作成の相談から、相続税の問題、終の住処の問題、在宅医療の問題等話が広がっていくことがあります。このような場合、それらについての初期対応を行ないながらも、具体的な対応は税理士や宅建業者、社会福祉士などの専門家と協働していくということになりますが、このような複数の専門領域にまたがって相談等は、今後増えていくのではないかと思います。

「ライフエンディング・ステージ」における専門家はスペシャリストでありながらも関連する分野のゼネラリストであることも望まれるのかもしれません。